失敗しない
染め替え方法
初めて染め替えをするお客様は、大切な着物がどんな風に出来上がってくるのか、自分の好みの色にあがるのか、大金をかけて直しただけのことはあるのか、出来上がってくるまで大変心配ですよね。そこで失敗しない染め替えの方法をご説明いたします。
染め替えは専門店の経験と技術、センスが大変影響します。お客様が相談に持ち込まれる着物はいろいろでその状態もまちまちです。その場で染め替え方法と見積もり金額が提示でき、お客様の好みをよく聞いてくれるお店に依頼するのが一番です。専門店によっては直接職人に頼むのではなく、いくつかの業者を通して職人に渡るところもあります。そういう店だとお客様の好みがダイレクトに職人に伝わらずに「イメージ通りに出来上がってこない」なんてことになりかねません。
色や柄を選ぶ場合は大きな生地サンプルで選びましょう。必ず自分の顔に当ててみてから、似合う色や柄を決めてください。見本帳の小さい生地で色を選ぶと派手にあがったり、「着てみたら自分に似合わなかった」など失敗の原因になります。
色無地の染め替えは
①違う色の色無地に染め替える方法と
②小紋に染め替える方法があります。
また加工料金は高くなりますが
③訪問着にも染め替え出来ます。
小紋の染め替えは
①色柄を抜いて別の柄に染め替える方法と
②柄はそのままで全体に色を掛ける方法(目引き) があります。
お客様の中には小紋から色無地の染め替えを希望する方がいらっしゃいますが、小紋から色無地の染め替えはお勧めできません。色を抜いた時点で柄が残ったりして、染めてもムラができ着られるようにならないからです。
紬の染め替えは一般的には色を全体に掛ける方法(目引き)になります。白地か生成りで柄の小さい紬でしたら更紗のような小紋を染めるとオリジナル性が出て、とてもお洒落な着物になります。
訪問着の染め替えは
①柄の上から色を掛ける方法と
②柄を残して地色だけ染める方法があります。
①の柄の上から色を掛ける方法だと少しカジュアルな雰囲気の訪問着になります。また、②の柄を残して染める方法だとまったく新しい訪問着が出来上がります。変色した古いシミや汗ジミがある場合はローたたきを入れて吹雪のような染め方をすれば綺麗に仕上がります。
黒の留袖は何年か経つと地色が茶色っぽく変色してきます。柄を糊伏せして柄を残して地色を綺麗な黒色に染め直します。このとき柄の派手な色を地味にしたり、金彩の直しや紋の洗いなども一緒にしますと見違えるように綺麗になります。
染め帯の染め替えは
①全体に色を掛ける方法と
②柄を残して地色だけを染め替える方法があります。
変色した古いシミやカビがある場合はローたたきを入れて吹雪のような染め方をすれば綺麗に仕上がります。
染め替えする場合は仕立てを解いて洗い張りすることからはじめます。染め上がったら新たに仕立てをしますので丈や巾も今のサイズにあった寸法に直せます。但し元の着物の丈や生地巾によりご希望のサイズに出来ない場合もありますので染め替える前にご希望の寸法になるのか確認することが必要です。
着物の状態、予算によって染め替え方法も変ります。また染まる色も限定されてきます。専門家が勧める色の中から自分の好きな色を選べば失敗はないでしょう。でも自分の好きな色がなければ無理に染め替えずに他の方法を選択したほうがよいと思います。
着物のお直し、お手入れの専門店、30年以上昔の着物も染め職人が 生き返らせます。あきらめてしまう前に私たちにご相談ください。大正9年創業の職人の店 染め帯、江戸小紋も創作販売いたします。
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